酸化防止剤無添加の功罪 ~亜硫酸塩(SO2)の役割~

ゆうきさん皆さん、こんにちは。ゆうきです。自然派ワインって、酸化防止剤無添加だよね?と思っていませんか?

今回は、自然派ワインでは避けては通れない、酸化防止剤について考えてみたいと思います。

自然派ワインにおける、酸化防止剤の位置づけ

SO2

自然派ワインというのは、実はっきりとした定義が決まっていないというのは、「あいさん」のコラムでも紹介されていましたね。

 「ヴァン・ナチュール」自然派ワインとは? あいさん  この記事、私「あい」が担当です^^ ヴァン・ナチュール...

(このブログ内のあいさんの記事『自然派ワインとは』)

あいさん
あいさん
 ゆうきさん、ご紹介ありがとうございます^^

ですが

「自然派ワインといえば酸化防止剤無添加のワイン」と思っていらっしゃる方も少なくないのではないでしょうか。

自然派ワインは、ぶどうを栽培するときに、農薬を控えたり、醸造するときの酵母や添加物にこだわったりと、生産者によって色々と違いがあります。

しかし、生産者の方で、「酸化防止剤無添加」をものすごく重要視する人は少ないように感じます。

ワインの造り手にとって、最も重要なのは、美味しいワインを作ることです。

ワイン造りの大部分を占めるのは、ぶどうの栽培です。

良いワインを作るためには、良いぶどうが必要なため、有機農法等を取り入れたりして、ぶどうの栽培に力を入れます。

ソムリエのヴァンナチュ
ヴァンナチュ
 有機=良いぶどうが出来るわけでなく、場合によっては農薬を使わないせいで腐敗果が増えて不健全なワインになる場合もあります

ヴァンナチュさんの言うように、有機農法に限らず、良いぶどうが収穫できると美味しいワインが造れる可能性がかなり高まりますし、有機農法にしたせいで不健全なぶどうしか収穫できなければ不健全なワインが生まれるわけです。

そして、ぶどうにパワーがあると、酸化防止剤を減らせる可能性が増え、あまり使っていない(または全く使わない)ワインが出来上がるのです。

ソムリエのヴァンナチュ
ヴァンナチュ
酸化防止剤は酸化を防止する目的もありますが、腐敗酵母を増やさないために使用する目的も大きいのでぶどうにパワーがあれば減らせるわけです^^

ゆうきさんイラスト
ゆうきさん
 なるほど~。腐敗酵母を増やさないため・・・

ソムリエのヴァンナチュ
ヴァンナチュ
 はい^^

なので、自然派の生産者に「樽の洗浄は何でやってるの?」と聞くと、堂々と「SO2だよ」と答えます。ゆうきさんの言うように酸化防止剤を使わないことを目的としているわけではないので本当に堂々と!

ヴァンナチュさん、ありがとうございます。

そうです!あくまで、結果的に酸化防止剤の使用を減らせる(使わない)こともあるというだけです。

もちろん一部の生産者には、酸化防止剤無添加にこだわる人もいらっしゃいます。

酸化防止剤に対しての造り手と飲み手の考え方の違い

生産者にとっての酸化防止剤無添加は目的では無いと書きましたが、「自然派ワイン」においては、『造る側』と『飲む側』とでは、酸化防止剤の考え方に対してギャップがあるというのが、私の印象です。

ワインを『飲む側』が一番気にするのは、「どのようなぶどうを使ったか」というよりは、「ワインそのものに何が含まれているのか」なのではないでしょうか。

もちろん、味以外は気にしないという方もいらっしゃいますが、自然派ワインを好む人は、この傾向が顕著な様に感じます。もちろん、どうせ飲むなら、体に良いワインが飲みたいという気持ちはよくわかります。

そのため、ワインを選ぶときに一番重要なこととして、酸化防止剤が無添加かどうかを気にしてしまうのではないかと思います。

その結果、造り手はあまり重要視していないが、飲み手としてはものすごく気になる存在!というのが、「酸化防止剤」なのではないでしょうか。

「酸化防止剤無添加」が横行する理由

そんな、飲む人にとって重要なポイントである、「酸化防止剤無添加」のワインはあちこちでよく見かけます。

なぜ世の中に、これほどまで「酸化防止剤無添加」のワインが広まっているのでしょうか。

それは「売りやすいから」です。

私もワインショップの店員さんから、酸化防止剤無添加のワインは、次の日に体に残らないのでお勧めですと言われたことがあります。

ですが、科学的には、酸化防止剤が体に与える影響は無いと言われています(もちろん大量に摂取すれば別です)。

酸化防止剤は、ドライフルーツにも多く含まれているため、酸化防止剤で頭痛がするのであれば、これらを食べた時にも影響があるはずです。

ソムリエのヴァンナチュ
ヴァンナチュ
 ドライフルーツや缶詰にはワインの数倍の酸化防止剤が含まれているものもありますからね。激痛でしょうね^^;

このように、「酸化防止剤は体に悪いものだ」というイメージを逆手にとって、粗悪なワインを、「酸化防止剤無添加の体に良いワイン」として売っているのです。

ゆうきさんイラスト
ゆうきさん
 あ・・・熱くなって言いすぎました(^^ゞ
「粗悪なワインを商業的に売っていることもある」が正しいですね

ソムリエのヴァンナチュ
ヴァンナチュ
 確かに、劣化した自然派ワインたくさんありますからね・・・でも、この10年で大分減っています^^

もちろん、全ての酸化防止剤無添加のワインの質が悪いわけではありませんよね。

きちんとしたワインもたくさん売られているのですが、その中に混じって、ひどいワインもまだまだ多く見かけるのが現状です。

酸化防止剤無添加のワインは美味しいの?

酸化防止剤の考え方について色々と書いてきましたが、皆さんが気になるのは、酸化防止剤無添加のワインは美味しいの?ということではないでしょうか。

それについては、酸化防止剤がワインの味に与える影響について実験をした、面白い記事がりますので、ご紹介しておきます。

実験内容を簡単にまとめますと、

同じワインに対して、酸化防止剤の添加量だけを、何段階かに変えたものを作り、味にどう変化があるかを試すという実験で、複数の銘柄のワインに対して、同じように行っています。

実験結果によると、酸化防止剤が、味に対して与える影響は、確実にあるということでした。

味の傾向としては、次のようなものでした。

酸化防止剤が少ない(無添加)のものは、果実味や甘みが強く感じられる反面、ワインとしての骨格やボディが感じられない
その一方で、酸化防止剤の量が増えるに従い、しっかりとした骨格が出来上がっていくが、タンニンによる渋みを強く感じ、ざらざらとした舌触りになる

テイスティングをした人たちの意見では、酸化防止剤無添加のものが一番好きという人もいるが、適度に添加したものが一番美味しいという人が多かったようです。

酸化防止剤がこれほど味に影響があるというのは、個人的には非常に興味深い内容でした。

酸化防止剤無添加の功罪

酸化防止剤は、体に害はないといっても、摂取して良いことはありませんし、ワインの味にも影響を与えることから、酸化防止剤無添加のワインにはきちんとした価値があると思います。

その柔らかでフルーティーな味を好む方もたくさんいることでしょう。

酸化防止剤についての一番の問題は、やはり売る人なのではないかと思います。

酸化防止剤について正しい知識を教えようとせず(本人も知らないのかもしれませんが)、体に良いと言って、質の悪いワインを売ってしまうのは、本当に残念なことです。

ソムリエのヴァンナチュ
ヴァンナチュ
 劣化臭は普通のワインには含まれないので、インパクトがあり、「こんなの初めて」と虜になる飲食業・小売業の人達も多くいます。。。。(もちろん消費者も)

ワインは難しいことが多く、ほとんどの人にとっては知らないことばかりだと思います。

そこを助けてくれるはずの専門家が、このような状態では、本当に良いワインを飲むことが難しくなってしまいます。

利益を得るためだけの粗悪なワインが流行ってしまったのは、間違いなく「酸化防止剤無添加」のワインにも多くの原因があると思います。

ですが、良い面もあります。

上記の実験のように、酸化防止剤について、きちんとした検証がされたり、ワインの種類が増えて、たくさんの中から選べるようになったのは、非常に良いことだと思います。

ゆうきさんイラスト
ゆうきさん
 個人的には、店員のいい加減さが分かったのも良かったことの一つですが・・・

これからは、酸化防止剤無添加のワインが良い方向に行ってくれることを期待しています。

まとめ

ゆうきさん今回は、酸化防止剤無添加の功罪について書かせていただきました。

酸化防止剤無添加のワインについて、少し厳しい意見が多かったかもしれませんが、個人的には、あのフルーティーな味は嫌いではありません。

ひとことでまとめるのは難しいのですが、

酸化防止剤無添加のワインも、そうでないワインも、どちらも素晴らしいワインです。ただ、酸化防止剤無添加のせいで劣化臭のあるワインもあります!普段劣化臭を感じることはないので、逆にそれの虜になってしまう人もいます。

本来の目的(美味しいワインを飲む)の過程であったはずの酸化防止剤無添加が目的になってしまわないように気を付けましょう!

ということで締めくくらせていただければと思います^^;

皆さんにとっても、美味しいワインを飲むきっかけとなれたら大変うれしく思います。

スポンサーリンク
レクタングル(大)広告
レクタングル(大)広告

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする

スポンサーリンク
レクタングル(大)広告

コメント

  1. […] 酸化防止剤の功罪|自然派ワインの魅力と都市伝説 […]