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「ヴァン・ナチュール」自然派ワインとは?

ヴァン・ナチュール、ナチュラルワイン、自然派ワイン。
最近人気が出てきたこれらは実は同じもの。
でも一体それってなんなの?体に優しい?環境に優しい?無農薬?なんとなくのイメージはあるものの実際はよくわかっていないという人も多いのではないでしょうか。
「自然派ワイン」とはその名の通り「自然な製法にこだわったワイン」
しかしその”徹底度合い”が他とは異なるのです。
ぶどうの栽培が無農薬なのはもちろん。その先にあるワインの製造過程においても「極力自然な製法で」にこだわるのです。

ただし、自然派ワインという言葉には、まだ定義はないので、注意が必要です。
一番下の「ヴァンナチュコラム」で書いています。
発酵
今では一般的なワインは確実な発酵を促すために「ワイン用酵母菌」を使用するのが一般的なんですが自然派ワインではその発酵が天然酵母の自然発酵に委ねられます。

こちらも定義がなく、培養酵母の生産者もいます

えっ!?そうなのですか!?
じゃ、「亜硫酸塩に代表される酸化防止剤も極力使わない。」とよく書いてあるのはどうですか?

それは、確かにそうだと思いますが、これも注意点はあります。それは、また今度m(__)m
2017.8.3「酸化防止剤の功罪」という記事をアップしました
分かりました。楽しみにしておきます。
さて、ワイン用の酵母菌がなぜ作られ、使われるようになったのかを考えればそのリスクと難しさは想像ができますよね?
安定という観点から見ても、天然酵母は非常に非効率な賭けとも言えるのです。
人の手がかかるということは費用もかかるということ、全ては個性的で豊かなワインを作るため。”ぶどう本来”をいかに引き出すか。
それが「自然派ワイン」なんですね。
オーガニックワインとは違うのか
無農薬といえばオーガニックワインやビオワイン。それらとは何が違うのか?
様々なビオ商品が市場ではもてはやされていますから、そういった疑問を持つ人も多いのではないでしょうか。
体にいい、健康志向。
その中心にあるビオですが、実はそれはあくまで栽培過程の話なんです。
「無農薬」という点を指しているんですね。
ですから「醸造」、ワインへ変わるその製造過程では添加物が使われているのです。
「添加物が完全に悪」ではないのですがそこで操作されている以上「自然派」と呼ぶことはできないんですね。
というわけで自然派ワインとオーガニックワインとの違いは
「添加物が時入っているかどうか」
となるわけです。

自然派ワインは美味しいのか
ワインの概念を覆すのが自然派ワイン・・・
さてさて、じゃあ結局のところ、

自然派ワインってどうなの!?どんな感じなのよ!?
はい^^;気になるのはその良し悪しですよね。
自然派ワインって本当にどれも様々なんです。もちろんそれは良い意味で。
自分の中に持っているワインのイメージを華麗にそして軽やかに覆してくれます。
”ぶどうの豊かでフレッシュな香り”がダイレクトに伝わってくるかと思えばスパイシーなものや軽やかなものも。良いワイン同様、テロワールをしっかりと感じることができます。
しかし、なんというか自然派ワインは非常に繊細でそれでいて優しい。
「ゆっくりと出会いを楽しんで対話しているよう」そんな気持ちにさせてくれるのです。
とにかく今までのワインの”あーこのタイプね”といったようなカテゴリーに分類されてしまうようなワインとはちょっと違うのです。
全く違ったワインの楽しみ方を自然派ワインは教えてくれますよ。個性的な子達がたくさんいますから。
自然派ワインは最強なのか
残念ながら現状は「そうとは限らない」というのが現状です。
なぜなら自然派ワインとはその「製造方法の一つ」だからです。もちろんワインは美味しくなければなりません。それは生産者として求めるべき大切な最終地点です。
しかし、残念ながら”自然派ワイン”は「ウリ文句」でもあるというのが事実なのです。
とはいえ、ポリシーとして自然派ワインの製造にこだわり、美味しいワインを生み出している生産者がいるのも事実。
”当たり障りのない美味しいワイン”が増えてしまった今だからこそ、ナチュラルワインはとっておきのうれしいサプライズに出会う楽しみも与えてくれるのです。
もちろん。信頼できるショップやソムリエを頼ることでその出会いの確率はぐんと上がりますから、是非チャレンジしてくださいね。
「ヴァン・ナチュール」が見せてくれるもの
「ものづくり」から最終的に感じられるものって「愛」だと思います。
生産者が持つ純粋にぶどうへの愛、土地や風、自然への愛
そしてもちろんワインへの愛。
美味しいワインを作るために簡単じゃない道をあえて選択していくというのはとても大変なことです。なんの保証もないのですから生産者の覚悟は相当なものでしょう。
それでもそこには確実な「何か」がある。
それは生産者にとっての「生き方」とも言えるのではないでしょうか。
そんな人生をかけたこだわりのワインには「感じるもの」が必ずあるはずです。
ゆっくりと出会いを楽しんで、ワインとの対話。してみてください。
あなたも自然派ワインできっと「ワインの新しい世界」のぞくことができるはずですよ。
まとめ~ヴァンナチュのつぶやきコラム~
「自然派」の定義って実はないのが現状です。
ビオディナミも自然派と言われるし、ビオロジックも入ります(この違いはまた後日)。それどころか農薬少なめも自然派と言われたりします。
添加物という表現はワインではあまり使いませんが、、例えば畑にまかれる硫化銅は、個人的には農薬と言ってよいと思うものの、使用しても有機認証を得ることができますし、ビオディナミ含めほとんどの生産者が使っています。
また、酸化防止剤と呼ばれるSO2も同様で、自然派のほとんどの生産者が使っています。
ただ、自然派の部類の人たちはそれを使う量が微量です。
と言っても、大量に使う生産者は別に自然派かどうかに限らず、いまどき多くないです。まあ、それでも多くの生産者よりも自然派の生産者のほうが少ない場合もあるわけです。
なので、自然派という大きいくくりの中に、ビオディナミ、ビオロジック、減農薬やその他ぶどうや環境などに配慮した農法が含まれ、それと別に農法うんぬん関係なく古代のワイン造りに影響を受けている人とか、色々な方が含まれる感じです。
おさらい
「自然派ワイン」が有機農法とは限らないし、酸化防止剤無添加とも限らない
「自然派ワインとは?」記事一覧
自然派ワインとは?(その1)(今ご覧いただいているこのページです)
自然派ワインとは?(その2~自然派ワインとビオワインの違い~)
自然派ワインとは?(その3~ビオワイン≠ビオディナミワイン~)
もご覧ください^^